君のために歌う歌

「ねぇ私ってそんなにわかりやすい?」

花を切り終わり、種を乾燥させるためにめしべとおしべと花びらをむしりながら宙子が言った。


おしべとめしべをとりのぞくと、黒い種が顔を出す。



「めちゃくちゃ分かりやすいよな。」


「イケメン関係は特に分かりやすい。」


二人も花の余計なところをむしり取りながらそう言った。


宙子は恥ずかしくなった。


「恋って、イイネ!!」


郷愛が言った。



「これは恋かな?私、ファンの1人じゃないかな……。」



「ファンだって恋してるだろ。」

高橋がもっともな事を言う。

「問題は、陽翔が宙子をどう思ってるか……まぁ見たところ問題無さそうだけどな。」

高橋は尻つぼみに言った。


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