君のために歌う歌
学校は始まったばかりだが、もう文化祭までは一週間を切っていた。
授業があるのは1日(火)、2日(水)だけで、木金は文化祭準備期間となった。
宙子は1日からクラスメイトに衣装を持ってくるように呼びかけ、放課後には、既に印刷までしてあったスタンプラリーのカードを切ることにした。
意外なことに、クラスの中心の女子3人がそれを手伝った。
「今日の宙子ちゃんなんか可愛いし、印刷までしてくれてるなんて、うちらもなんかやらなきゃって思ったからさ。」
と。
宙子は、感動した。
同時に、私はこの人達を勝手に軽蔑していたかもしれない、と思った。
宙子が切り方を指示すると、彼女たちはテキパキと仕事をしてくれた。