君のために歌う歌
２日目。


クラスメイトは意外とやる気があるのか、全員が衣装を忘れずに持ってきた。


宙子は、予備準備室Aにあった使っていないようだった衣類をかけるラックをクラスに持ってきて、そこに衣装を下げた。


その様子はまるで楽屋のようで、みんな少しテンションが上がっているようだった。




放課後、宙子は女子達と陽翔と一緒に、装飾と景品について考えていた。


｢入り口というか、廊下側だけ豪華になれば、いいと思ってるんだけど…｣


｢迷いの森みたいにしない？｣

秋乃と仲良しの女子、真里亜が言う。


｢迷いの森可愛くないよ！風船にしようよー！｣

秋乃が笑いながら言った。


｢風船可愛いね…！でも全部飾るにはちょっと予算が足りないかな……｣


宙子が控えめに言った。


｢じゃあ、入り口は風船、廊下際は木で森みたいにするのは？段ボールでさ。｣

これは陽翔提案だ。


｢えー、それはカオス！｣


秋乃がまた笑いながら言った。
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