君のために歌う歌
「陽翔が、お前らそろそろ交代の時間だって言うから、バンド出る前に飯一緒にどうかなと思って来たんだわ。」


高橋は郷愛から手を離すとそう言った。


「いーねー!いこいこー!」


郷愛はノリノリで答えた。


「でしょ?行こう?」


陽翔は宙子に微笑んだ。



(なんでいつも私だけを見ていうの……)


宙子は照れながら


「うん。行こうか。」


と、席から立った。


ちょうど次の受付当番の人が来たので、「1C探偵事務所」の申し送りをして、四人は飲食店をやっているクラスへ向かうことにした。



文化祭のしおりを穴があきそうなほど見つめるミク。もとい、郷愛。


そこへ、某有名雪映画の雪だるまの着ぐるみを着た男子が、段ボールの看板を持って近づいてきた。


「オープニングのミクちゃん!早めの昼食をお探しならどうぞ3Bオラ雪カフェへ!」

そして、持っている看板を指さし、


「カップルでご来店ならアイスとチェキをプレゼントだよー!」


そう言った。
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