君のために歌う歌
陽翔は宙子が食べたのを見ると「よしよし」と言って、自分もそのスプーンでアイスを食べた。


(か、関節キス……!)


宙子が焦っているのをよそに、また、あーんとアイスを差し出す陽翔。


拒否することが出来ずに、宙子はまたそれを食べる。


(ヒロが食べたスプーンでも食べちゃった……でも、ヒロはアメリカいたのも長いし、こうゆうのも気にしないのかな……)


ドキドキと、高鳴る胸がうるさい。


陽翔はそのあとも、自分が食べて、宙子に食べさせてを、アイスがなくなるまで繰り返した。


「うん、もらえて良かったねアイス!」

勝手に納得する陽翔に、宙子は赤い顔のまま、

「う、うんそうだね。」

としか答えられなかった。



恥ずかしさと戦っていて気づかなかったが、郷愛と高橋はアイスを半分に分けて、高橋はスパゲティ用のフォークで食べていた。


宙子も、

(そうすればよかった……!)

とショックを受けたが、目の前のニコニコな陽翔を見ると、


(まぁ、良かったかな……)

と思うのだった。
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