君のために歌う歌
「……どうもーhigh cloud small woodです。

って、A組の奴らばっかりかよ!」


観客のA組男子達はイエーイ!とピースをした。


「ま、来てくれてありがとな。

その他のお客さんほんとありがとうございます。

あと3曲だけど楽しんでいってください。」


左の方から、ボカロは歌わないのー?と言う声が上がった。



観客は笑い、高橋は苦笑した。



「……ボカロは歌いません。」


観客からえー、と残念そうな声が上がる。



高橋は、少し悩んでから、少し可愛い声で歌い始めた。

しかしすぐやめ、


「いやいやいや、エフェクター今持ってきてないから!!!


でも、……みんなミク聞きたい?」



観客から、聞きたーい、の声。




高橋はメンバーをドラムのところへ呼び寄せた。


背中を向けて何か相談している。


その姿はなんだか可愛いらしく見えた。


 
マイクスタンドに戻って来た高橋は、


「じゃあ、千本桜やります!」

と宣言した。



観客から歓声と拍手がわく。
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