君のために歌う歌

彼らの千本桜は圧倒的だった。


合わせてないなんてまるで嘘のようだった。


(郷愛のアニメ声がかっこよく見える日が来ようとは。)


宙子は、高橋と郷愛という二人の化学反応に勝手に感心していた。


陽翔も、目を輝かせて見ている。




千本桜が終わると、観客のテンションは高校の文化祭とは思えないくらい上がっていた。



「ありがとう。ミクもとい郷愛にも大きな拍手を。」

高橋がそう言うと、

「ありがとう。1-C人探しもよろしくね!」

と郷愛は語尾にハートマークをつけてアニメ声で言った。


(ありがとう、宣伝までしてくれて!)

宙子は心の中で思った。



郷愛はステージからピョント降りると、また真ん中最前列に潜り込んでいった。

< 279 / 303 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop