君のために歌う歌
宙子はPAの脇の席に戻った。



『愛の歌は歌ってもいいですか?』



ふと、陽翔の言葉が蘇った。



(何歌うのかな……)



昨日のリハーサルは、ほとんど歌ってはいなかったので、ギターだけでは宙子には何の曲かを知りえなかった。




お客さんは、先程よりも女子が多かった。

イケメン転校生の噂は他の学年にも広がっていたようだ。


その中には秋乃達の姿もあった。


(なんだかんだ好きなんだろうな……。)


宙子は微妙な気持ちになりながら、ステージを見つめた。
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