君のために歌う歌
「それに……」


郷愛はそう言って、突然高橋に抱きついた。



宙子は目を丸くした。



「実はあたしたち、付き合ってんだ。」



郷愛はピースをした。


「そういうことだ。」


高橋もピースをした。




「えぇー!!!!!!!」



宙子は驚いたが、陽翔は「俺知ってた。」と呟いた。



「だから、リア充爆発しろとか思わないからほら、早く行っといで!詳しいことは後で後で!」


宙子は、郷愛に陽翔ごと少しずつ体育館の外に追いやられた。



高橋が

「後は任せろ!」

と言うと、郷愛は体育館のドアを閉めた。



ボーゼンとする宙子を、陽翔は後ろからそっと抱きしめた。



それで宙子は我に返った。


「ど、どこ行きたいの?」



陽翔は耳元でささやいた。


「とりあえず、オラ雪かな。」



それに思わず宙子は笑って振り向いた。


「オラ夢はもういいよ!!」


陽翔は宙子から手を離しながら、やはり嬉しそうにハハハと笑った。





 
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