君のために歌う歌
「な、なによヒロ。」





陽翔はうふふ、と姿勢を直して微笑む。




「今帰り?」




「そうよ。」




「俺も。」





「まぁそうだろうね。」





陽翔はまたうふふ、と笑う。





「一緒に帰っていい?」







駅まで。と陽翔は言った。





「は?なんで…男子と帰ればいいのに。」




宙子の頭はグルグルしていた。私を待っていたの?それとも偶然?






宙子の言葉を聞いた陽翔はあからさまにショボンとする。







「みんな部活とかだからさ…ちょうどひろがいたから嬉しかったのに。」






なんだ、偶然か、と、宙子は安心するようなガッカリするような気持ちだった。

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