君のために歌う歌


「多分、9月の終わりには引っ越すと思う…高校卒業までは、向こうで過ごすんだ……。」




宙子は黙っていた。



それから言った。




「離れたら、嫌いになっちゃうの?」




陽翔は驚いて、思わず語気を荒げて言った。



「嫌いになるわけないよ!!!」




宙子は微笑んで、今度は宙子が陽翔を抱きしめて言った。



「なら、大丈夫だよ。私はずっとヒロを待ってる。もしおばあちゃんになるまでヒロが戻って来なくても、ヒロを待ってる。」




陽翔はもはや泣いていた。


「もっと早く、告白すれば良かった。」




宙子は背伸びして、その頭を撫でて言った。


「バカだなぁヒロは。」




それから二人は笑いあった。


「なんか、いつもと逆だね。」




そして、再びキスをした。




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