君のために歌う歌
「素敵な傘だね。宇宙だ。」




陽翔は宙子の傘を見おろして言った。




「ありがとう。お気に入りなの。」




「へえ。」





陽翔の傘はなんの変哲もないビニール傘だった。




二人の会話はそれきり止まってしまった。





陽翔はビニール傘をくるくると回した。




横から見ると、長いまつげと高い鼻が目立って、本当に整った顔立ちだなと思った。



宙子は何か気まずさを感じた。




「あの、ね!私のひろこって、宇宙の宙に子供の子って書くの!」

 



沈黙を破りたかった宙子は、勇気を出して言った。



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