君のために歌う歌
「いいのよ高橋……」



宙子はゆらりと顔をあげた。




「もともと不純な気持ちで立候補したのがいけなかったわ……人をまとめるなんて多分できないけど、無難に終わらせて見せるわ。」




「が、頑張れ……。」



「それよりこの同好会……同好会だから何か展示をしなくちゃいけないの。」



「え、お初耳。」




郷愛は手を耳に当てて言った。



「私準備で忙しくなるからね、2人で、植物の写真を撮って展示して欲しいの。」



「うへぇめんどくせぇ」



高橋と郷愛がハモった。



「誰のおかげで放課後だらつけてると思ってるの!

あとね、せっかくだからヒマワリの種を配ろうと思って。唯一のあの花壇の。」



「それはメルヘンで素敵ぃ☆」



「ほんとに思ってる?」



「思ってるよ!!ゴッホの再来と言われてる郷愛ちゃん、頑張っちゃうもんね!!」 



「それこそお初耳だけど、よろしく頼むね。」




「アイアイサー!」



郷愛は敬礼をした。
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