君のために歌う歌
「ごめんごめん、馬鹿にしてないよ。ひろが可愛かったからつい。」
陽翔はいたずらっ子のように言った。
「はぁ?!馬鹿にしてるでしょ!もう……」
宙子は自分でも顔が赤いのが分かっていたので、顔をふせ後ろを向き、雑巾を手に取りそのままテーブルを拭いた。
「それで、何の用なの?」
つっけんどんに聞く。
「まさか植物同好会に入るなんて言わないよね。」
「ここ植物同好会の部室なんだ?ひろは植物同好会入ってるの?」
「知らないで来たの?ほんとに何の用?私部長だよ…。」
宙子は、呆れた気持ちと、もしかして私に会いに来たのかというほんの少しだけの気持ちで振り返った。