君のために歌う歌
「何か理由があるんでしょうよ。」
「だから宙子に会いに……」
そう言って高橋は宙子を見つめた。
陽翔とは違う、黒い瞳。
久々に見た幼なじみの真っ直ぐな瞳に宙子はたじろいだ。
「なんでそうなるのよ。あんた少女マンガ読みすぎじゃないの?」
「うーん、そうかなぁ。地味に見えて宙子可愛いしなぁ。」
「へ!?」
高橋は勝手にうんうんと頷いている。
高橋に可愛いなんて言われたのは小学校ぶりだった。
「ちょ何言ってんの気持ち悪いよ高橋!」
顔がさらに赤くなった気がした。