君のために歌う歌
君の笑顔をいただき!
陽翔が予備準備室Aを出て、高橋に目撃された少し後のこと。
陽翔は、中庭でカメラを片手に寝転ぶ郷愛を見つけた。
「郷愛ちゃん!」
陽翔は駆け寄った。
「シ!今アリが葉っぱの上で挨拶してるの撮ってるんだから…!!
あああああ手ブレめ!!!!
呼吸も心臓も止まってしまえばいいのに!!!!!」
郷愛は一眼レフのファインダーから目を離さずにおどろおどろしい声で言った。
陽翔は少し困った顔をして、近くの石でできている椅子に腰掛けて、郷愛の格闘を待つことにした。