君のために歌う歌
座ると、立ち上がっている陽翔をかなり見上げる形になった。



「……。」



陽翔は下から見ても、整った顔立ちだった。



陽翔は、郷愛が黙ってい見上げていることに気づくと、柔和な笑顔を浮かべてしゃがんだ。




今度は郷愛よりも小さくなった。




長い手足を器用に曲げてしゃがんだその姿はなんだかとても可愛らしかった。




「ごめん1枚。」



郷愛は素早くカメラを起動してシャッター切った。




「素早いね。」




陽翔は驚きも怒りもしなかった。




液晶に映し出された画像と、陽翔本人両方を見て郷愛は言った。




「本物のイケメンだねこりゃ。」




そんなことないよ、という代わりに陽翔は手をヒラヒラと振った。
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