ごめん、好きすぎて無理。
『もし、お前が今、このまま進むって言うなら。
俺もお前とこのまま一緒に進む』
『……え…?』
俺の腕の中で、紗奈が声を発する。
『紗奈、言ったよな?
俺が生きる希望だって…。
俺が生きる意味だって…。
そっくりそのままお前に返す。
俺の生きる意味、生きる希望は、紗奈だから、紗奈がいないなら、いなくなりたいと願うなら俺も行く…』
『……陸………』
『紗奈、俺、お前のことが好きだ』
紗奈はその言葉を聞いて、顔を上げる。
辺りは真っ暗なのに、それでも紗奈の頬が赤くなってる気がする。
その目からも大粒の涙が溢れていて、俺はそっと指でその涙達を掬った。
『でもな…紗奈。
お前のこと、本気で好きだから…。
だから、こんなことしないで、お腹の中の子を俺の為に産んで?』
『………陸………』
『紗奈が俺の傍にいてくれるなら、
紗奈との子が無事に産まれてきてくれるなら…
もうそれだけでいい、後は何も望まない。
だから、紗奈、二人で、この子を迎えよう?』