ごめん、好きすぎて無理。
『………陸……』
『殴られて当然です。
何度殴られても俺の気持ちは変わりません。
何度殴って頂いても構いません、海も…。
その代わり、紗奈のこと、紗奈との子どものことを認めてください』
俺は紗奈のお父さん、お母さん、そして海に訴える。
そんな俺を見て、紗奈は俺の前にでる。
そしてその小さい体から伸びる両方の腕を広げて、言葉を発した。
『陸を…もう陸を傷つけないでください。
私の……私の一番大好きな人なんです…。
陸が傷つくところ、もう見たくないんです…』
『おい、紗奈!』
俺は紗奈の片方の腕を引き、俺の前からどくように促す、も、紗奈は踏ん張ってその場に立ち続けた。
『この人を傷つけるのだけは許さない…。
この人に傷をつけることだけはどんな理由があっても許さない!』
『……紗奈……』
『……紗奈……』
紗奈の言葉に、紗奈のお父さん、海は同時に紗奈の名前を呼んだ。