ごめん、好きすぎて無理。
『海君…。
あなたには娘が本当に失礼で傷つけることばかりをしたと思います。
心から、謝罪を申し上げます。
本当に、本当に娘のせいであなたの心に傷をつけてしまい、本当に申し訳ありませんでした』
紗奈のお母さんはそう言って、頭を深々と海に向かって下げた。
『娘がしたことは最低です。
それは親として重々承知しています。
でも、どうか娘の幸せを願うことはできないでしょうか。
私たちと一緒に娘の幸せを見守ってはいただけないでしょうか』
頭を下げたままで、紗奈のお母さんがそう言う、けれども突然の言葉に海は答えられないでいる。
『……どうか、お願いします』
紗奈のお母さんはもう一度、海に頭を深々と下げた。
『……私からも、どうか、どうか…娘の幸せを願ってはいただけないでしょうか』
紗奈のお父さんもそう言って、お母さんの隣に並び、お母さんの一緒に深々と頭を下げた。
紗奈と俺の想い、突然知った海が、例え紗奈の両親に言われたからって、それを受け入れられるはずがないー…
俺だったら許せないー…
『……海、本当にごめん…。
でも俺、紗奈と約束した、ずっと一緒にいる、そう約束したんだ。
だから……ごめん、紗奈を俺にください』