ごめん、好きすぎて無理。
ごめん*04
高木さんの涙
それから病室に戻った俺たちは、病院側から大目玉を喰らうことになり、早急に紗奈のお腹の赤ちゃんの検査が行われた。
結果はなんでもなく、俺らはひとまず安堵の笑みをこぼした。
『じゃ、紗奈、私たちは帰るよ。
明日、また来るからな』
紗奈のお父さんとお母さんがそう言って病室から出ていこうとする。
『……あの!』
俺は急いで二人の元へと駆け寄った。
『……あの…お二人には色々とご迷惑とご心配をおかけして申し訳ありません。
でも、お二人にもいつかちゃんと認めてもらえるよう、紗奈さんを幸せにしてみせます!』
俺が意気込んでそう言うと、二人は顔を見せあって微笑んだ。
そして、
『紗奈が選んだ人だ、きっと紗奈も君も、そして紗奈のお腹の中に居る子も、幸せになる、そう、信じているよ』
紗奈のお父さんがそう言った。
『……娘を、宜しくお願いします』
紗奈のお母さんがそう言うと、お母さんとお父さん二人して、俺に頭を深々と下げた。
『……はい』
紗奈のお父さんとお母さんが頭を下げる、その姿を見て、紗奈が紗奈のお父さんとお母さんからどれだけ愛されているのかが窺える。
きっと今までもこんな風に沢山愛されてきたんだ、そんな人を俺の一番大事な人にしてしまって、この先ずっとその人を幸せに出来るか心配だ…。
お父さんやお母さんのような愛で紗奈を守れるか、癒せるか…
でも、それでも俺は約束するー…
この先、何があっても紗奈の手は離さない、紗奈を一生愛し続けることを。