ごめん、好きすぎて無理。




『患者さんにプライベートな話をするのは良くないことだけど…。

 うん、海のこと知ってる、それに海とは……』




高木さんはそこまで言いかけたところで、俺の顔を見つめた。


俺はクエスチョンマークを並べ、高木さんを見るも、高木さんはそんな俺にニコリと笑った。






『………君、海とは兄弟?』



すぐに高木さんから質問され、俺は首を縦に振って返事をする。





『……よく似てるのね、なんだかそこに海がいるみたいで話しにくいな…』






海がいると思うと話しにくい…?



俺は海じゃないけど、でも俺がいるとなんか気まずいかな…






『あ、俺、飲み物でも買いに行ってきます』




俺はそれだけ言うと、紗奈のベッドを離れ、そして廊下に出たところで、その場に立ち止まる。








海と高木さん…


なんかあったんだろうか…。






俺はどうしても気になってしまい、そのままそこに居座ることに決めた。









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