ごめん、好きすぎて無理。
すぐに海が通話に出た。
『もしもし、陸?
今から親父を迎えに行くんだけど…』
『海!今すぐ病院に来い!』
俺の切羽詰まった声に海は何かを感じ取ったのだろうかー…
『紗奈、なんかあったのか!?』
海はすぐにそう言った。
『ちげーよ!高木さんだよ!
昨日俺達が見た、あの搬送されてきた高瀬!
多分、いや絶対に高木さんの元彼の高瀬だぞ!
なんか病室で高木さんを呼べって騒いでるらしい…』
『は?え、陸、なんで沙羅の元彼だってこと…』
『そんなのどうでもいい!
とりあえず親父なんてどうでもいいから、今すぐ病院に来い!』
俺はそのまま通話を切る。
多分、海もすぐに来るはずだ。
紗奈に会いたかったけど、高木さんのあの怯えた顔、尋常じゃない…
昨日の話からしても、もしかしたら高木さんが危ないかもしれない…
俺は急いで高木さんの後を追った。