ごめん、好きすぎて無理。
『沙羅……やっと会えた……』
普通に話せば、きっと渋い声、なんだろう…
でも今は不気味にしか聞こえないー…
『……恭二君……どうして………』
『沙羅が別れようって言った、あの日からだいぶ沙羅を探したよ。
沙羅があの男の元に行ったんじゃないかって……俺を捨てて…』
探したって……普通に怖いよ。
てか、何、ストーカー?
俺は高木さんが心配になって、高木さんの横に並んだ。
『お前……』
横に並び、俺の姿が視界に入ったのか、高瀬という人は俺を見て、そう言った。
『……沙羅、やっぱりそいつの元にいったんだね……』
それは低く、恐ろしく、俺を見つめる目も怖いものだった。
俺がその様子を静かに見守っていると、高瀬は動き出した。
あっという間に俺の胸ぐらを掴んで、高瀬の顔が俺の真ん前にあった。
『沙羅、俺、言ったはずだよ。
こいつの元に行ったら、こいつに何をするか分からないって…。
俺、忠告しておいたのに…』
胸ぐらを掴んでいる手とは逆の手を振りかざして…
殴られる、そう思った瞬間にやっぱりその痛みは俺の頬に伝わる。