ごめん、好きすぎて無理。
ごめん*02

あの頃より遠い






紗奈のお願いを半ば無理矢理聞く羽目になってしまった俺ー…





時間が経てば経つほど、バカなことをしたと思う。


日にちが経てば経つほど、もっときちんと考えて発言すべきだったとも思う。







紗奈との会話の後、紗奈は一人タクシーを呼び帰宅した。



大地も海も相当飲んでいたのか朝まで爆睡し、俺は一人自分の部屋で過ごした。








あれから一週間ー…




~♪~♪~♪~


携帯が鳴り響く音に、画面を確認すると、紗奈からの着信だった。



一瞬気まずくて電話に出ないことも考えたが、出ないのも後の事を考えると嫌な予感しかしない。







『………もしもし』




通話を押し、俺の第一声は自分でも驚くほどに低くて、そしてやる気のない声だった。









『陸?
 この間言ってたことについてなんだけど、明日の日曜日、空いてる?』






この間の一件とは、というかこれは正しくデートのお誘い…







『…………まぁ…』






『じゃ、明日の6時に待ち合わせね!』







うん……6時!?





『6時って……午後6時ですよね?』





『何言ってんの?
 午前6時に決まってるじゃない?
 
 そんな遅い時間に待ち合わせてどこに行けるのよ?』





…さも当たり前、のような感じでお話されてますが。



そもそも彼氏彼女という間柄でもないのに、午前6時に待ち合わせてどこに行くつもりですか!?






『………あー、うん……』





でも、何故だか、そんな紗奈の言葉を受け入れる言葉でもなければ、紗奈に対して“おい!”という言葉でもない。






< 34 / 159 >

この作品をシェア

pagetop