ごめん、好きすぎて無理。
『陸……
陸は何も知らなくていいんだよ…?
何も気付かず、いつも通りの生活を送ってくれていいんだよ…?』
なんでだろ…
なんで、紗奈は全部一人で背負いこもうとすんだろ…
なんで、紗奈は俺に一緒に悩むことをさせてくれないんだろ…
いや、違うー…
多分、絶対、紗奈は俺に一番に言いたいー…
だって、俺と紗奈のこと、だもんな?
けど、きっと俺が言わせないようにしてる。
俺がすっげー不安な顔をしてるから、だから紗奈は俺に言えないんだー…
紗奈、俺、きっとお前の言葉を聞いて、すぐに“こうしよう”なんて言えない。
ごめん、すぐに“こうしよう”が言えない男で、そんな彼氏で。
でもさ、俺はお前と悩みたいからー…
だから、言ってよ?
お前が俺に一番に言いたいこと。
バカでも頼りない奴かもしれないけど、それでも俺はお前の言葉を聞くから。
お前との現実ときちんと向き合う、だから、お前の口から、お前の言いたいことを全部言ってよ…?
『紗奈、別れる前に、一つだけ聞いていい?』