ごめん、好きすぎて無理。





『今、君と紗奈が会うこと、それがベストな選択だとは思えないんだ、私は。

 君が今日うちにきてくれること、君と紗奈がよく話し合って私たちに話をしてくれようとしていたのは分かった…。

 でも紗奈は目を覚ましたら、きっとこの事実に泣く日々を過ごすだろう、その時は君はずっと傍にいて支えてあげれるか?

 産んであげたかったのに産んであげれなかった、その紗奈の嘆きを、苦しみを、悲しみを君はたった一人で背負えるか?

 きっと君は今は紗奈を支えられるという自信も覚悟もある、でも紗奈がその想いから解放される日が、立ち直れる日がいつ来るかなんて分からないんだー…

 それでも君は紗奈の傍にいれる、そう言い切れるか?

 今だけの思いではなく、もう少し先のことまで、紗奈と自分自身のためによく考えてほしい。

 これ以上、娘が、紗奈が傷つくところは見たくないんだ、父親として…』







紗奈のお父さんの想いを聞き、俺はその場に座り込んだー…





紗奈を失いたくない、紗奈を遠ざけないでほしい、その想い達は全部自分の為の想いで。



そこに紗奈の想いなんて一つもなかったー…









『……会わないこと、それが今回の事を二人が忘れることだと思うんだ、私はね…』











『だから、もう二度と娘には会わないでください』








聞こえる紗奈のお父さんの声、でも俺は何も言い返せなかったー…






















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