ごめん、好きすぎて無理。
紗奈の退院は学校で知った。
紗奈が学校に登校してくる姿を初めて見た時、紗奈があまりにも痩せてることに、紗奈の顔に生気を感じることが出来なくて、俺の胸は締め付けられるように痛かった。
『ねぇー笹本さん、退院したんだよね?
なんであんなに元気ないんだろう?
なんか女神、って感じじゃなくなってるよねー』
『あー、分かる分かる!
なんか生気感じないよねー…
え、ただの階段の踏み外し、だったよね、理由…
階段の踏み外しであそこまで生気感じられなくなるものなの?』
嫌でもそんな声が俺の耳に入ってくる。
耳を塞ぎたい…
でも、これは俺への罰、なのかもしれない…
紗奈はもっと苦しんでるし、きっと大きな悲しみで紗奈自身が潰れていく、そんな感じで…
そんな紗奈に俺はなんて言えばいい?
そんな紗奈をどう見ればいい?
『陸、笹本退院したんだな』
俺に話しかけてきたのは、大地。
大地の顔を一瞬見るも、俺はすぐに目を反らした。
『お前さ…笹本が入院中に一回もお見舞いに行ってないんだって?
普通さ…彼氏なら彼女のお見舞いくらい行かねーの?』
大地は何も知らないー…
だから、こんな風に問いかけてくるのは当然のこと。
でも、今はその問いかけが苦しいー…