ごめん、好きすぎて無理。
『一生……憎んでろよ…俺のことなんて…』
『陸』
再び紗奈に視線を向けると、紗奈はニコニコと微笑んでいた。
『好きよ、陸…』
紗奈はそう言って、俺にもう一度気持ちを伝えてくるー…
『……でも、私が好きって言うと陸は困るから。
だから、もう陸には言わない…
これからは海君に…』
気がつけば俺は紗奈の腕を掴み、そのまま俺の胸の中に紗奈を引き寄せた。
『…………陸……?』
俺の突然の行動に、紗奈は戸惑っていて。
でも、俺が一番戸惑ってるー…
どうしてこんなことをしているのか…。
『…陸?
これ………なんのハグ?』
紗奈が問いかけてくるのに、俺は何も答えられない。
『陸……この行動の理由、教えて…?』
答えない代わりに、俺は紗奈を強く抱きしめた。
そんな俺に紗奈は、俺の背中に自分の手を回して、俺をしっかりと抱きしめてくれた。
『陸……陸の腕の中は……やっぱりあったかい…。
でも……この行動の理由によっては…私は天国にも地獄にも連れて行かれるよ……?
これは……天国?それとも……底なし沼のような地獄……?』
『…………紗奈、俺……紗奈のこと、すっげー好きだった。
けど……俺はお前を幸せにしてやれないから……お前の事、海に託すよ…』