ごめん、好きすぎて無理。





全てのことが終わって、俺も紗奈も横になったまま、ただ天井を見つめていた。








『…陸、こんなことして後悔してる…?』



紗奈がポツリ、そう問いかけてきた。







『最初から後悔してるよ、最初から…』





『最初からの最初って、どこ?』





『紗奈に出会ったことから…』




俺の言葉に紗奈はクスって笑った。








『陸、そのまま一生後悔しててよ。
 私と会ったこと、私なんかを好きになったこと。
 愛し合った日も、触れあった瞬間のことも全部、後悔して?』





俺は紗奈の言葉に頭だけ紗奈のいる方に向ける。


そこには優しく微笑みながら天井を見つめ、一人涙を流している紗奈がいた。








『……………なんで泣いてんの?』




俺が問いかけると、紗奈も俺の方に頭だけ向けた。







『幸せだから』



そう短く返事をした紗奈はやっぱり微笑んでいて。


余計にこの行為に、罪悪感を感じた。








『紗奈……ごめんな。
 俺、お前を傷つけることしか出来なくて。
 海みたいに、お前を純粋に愛せれば…大事にしてやりたかった…』







『陸……私の最後のお願い、聞いてくれる?』





俺の言葉の返事ではなく、紗奈はそう言う。






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