ごめん、好きすぎて無理。






『…もしもし』




『…え、あ、はい、俺が相原 海ですけど…』




『…え!あ、分かりました、今すぐに向かいます!』





相手の声が聞こえる訳ではないから、海が誰とどんな話をしているのかは分からない、でも確実に顔色悪くなっていく海の顔を見て、いい内容の電話じゃないことは伝わってくる。








『…失礼します!』



そう言って、海は通話を終了すると、勢いよく椅子から立ち上がり、




『陸!悪いけど、車出して!』




そう、叫んだ。









『海…?
 なんかあったのか…?』







俺の言葉に海はしどろもどろな目で俺を見つめた。









『………紗奈が、紗奈が倒れたって……』








海の言葉に、一瞬心臓が止まった気がしたー…











『……とりあえず、今、紗奈のお父さんから電話が入って……。
 病院教えてもらったから、そこまで車出して!』






俺も財布と携帯を持ち、二人して慌てて玄関を飛び出していく。




海から教えてもらった病院名をナビで検索し、俺は急発進とでもいえるくらいにアクセルを踏んだ。




助手席に座った海も終始落ち着かない感じで、車内は妙な緊張感、焦りが立ち込めていた。







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