彼と私の事情



な な な 、

「…なんだこれー…」

めっちゃ柔らかいハンバーグで、中から出てくる肉汁とソースがたまらない。

「…おいしい…。」

寝たからなのかな。
食欲もあるし、美味しく感じる。
いや、美味しいんだけどね。

昨日の朝の自分なら食べられなかったかもしれない。

「…ぐずっ…」

なんなんだ。私の涙腺弱すぎる。

いい年した女が泣きながらハンバーグを食べる。

すごい絵面だけど、

そんな私を立川さんはなにも言わずに見つめてる。

とても優しい顔で。
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