彼と私の事情
それ以来、そのメニュー…煮込みハンバーグは立川さんの中では封印されたらしい。

ここに来てもそれだけは頼まなかったらしい。

お店の裏メニューとしては置いていて、常連さんが頼んだりしていたみたいたけど。

だから通常メニューにはしなかったらしい。

「だからさ、あいつが三河ちゃん連れてきて…あのメニュー頼むとは思わなかったわけでさ。」

封印を解いてくれたのかと思ったよ、と悲しそうな顔をしている相澤さんを見て…
私は何も言えなかった。
何もできない自分が悔しかった。

それから、立川さんは寝れなくなり、仕事もうまくいかなくなり、辞めたらしい。

それから、今の…私の元いた会社に来たらしい。
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