彼と私の事情

「俺のいない間大丈夫だったか？」

…ここだ。今言うべきだ。

急にやって来たタイミングに私は体を直した。

「あのですね、私実はあっちの家にいました。
ちゃんと寝れたんです。
立川さんに甘えてしまっていて…自分で気づいていなかったんです。


もう…一人で大丈夫です。
ありがとうございました。」

深々と頭を下げた。

「…もう大丈夫なんだな？本当だな？」

「…はい。大丈夫です。」

そうか、と呟いて

「いつ行くんだ？」
と聞いてきた。

言いづらかったけど、
「今から帰ります。向こうに洗濯物とかたまってるので。」

少し目を見開いて、少しの沈黙のあと、
「好きにしろ。風呂入ってくる。」