彼と私の事情
「まず。俺は結婚したいと思ったやつは確かにいた。」

わかってたいたけど、ぐさっとくる。

「…でも過去の話だ。俺も向こうも既に立ち直っている。」

ほら、と一枚のハガキを渡された。

「…その彼女さんですか?」

「そうだ。」

ハガキには、結婚しました!っていう言葉と写真が貼ってあった。

私は幸せです。どうにか立ち直れました。傷つけてごめん。学も幸せになって。

って文章も書いてあった。

「それが来る前に電話で話してたんだ。結婚するってこととか、過去は消せないけど今は働けてるとか。いい職場に巡りあったらしい。」

遠くを見て話す彼の横顔はいつもと変わらない。
本当にもう気にしていないようだ。

「ただ…そのことを大樹には言ってなかったんだ。だから、お前が誤解することになったんだよな。ごめん。」

今度は向こうが私を見て謝る。

「いや、いいんです。私が詮索したから…。」


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