神が奪ったモノ


「おー、今日も美味しそうだねー」


「当たり前だろ。なんせこの俺が作るんだからな」


レーベンはロリエッタに褒めてもらえた気恥ずかしさからか、少し威張ってそう言った。


二人はテーブルに着き、食べ始める。


しばらく無言で食事をしていると、ロリエッタが何かを思い出したように口を開いた。


「レーベン、あんたそろそろ十六だろ。
旅の準備はしてるのかい?」


「もう終わった。なんせ来週だからな」


ロリエッタが言う旅とは、この村の風習で十六になる男は皆一度村を出て出稼ぎで経験を積んでくる、というものだ。


レーベンは来週になれば誕生日を迎える。


その日にレーベンはこの村を立ち、村の外に出る。


行き先は皆それぞれだが、レーベンはこの村の北にあるヴィルトンという町に行くつもりだった。


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