神が奪ったモノ
しぶしぶレーベンは五千二百レイルを支払った。
(所持金が一万二千レイルで五千二百レイルを払ったから、残り六千八百レイル……。
大丈夫、かな?)
予想より少し高額な買い物になり不安になるレーベンだったが、頭をぶんぶんと振って不安を追い払う。
「まいど~!」
レーベンは店から出て腰にベルトを巻き、剣を挿す。
それを見て、少し心が弾む。
(やっと剣を手に入れた! これからは練習もできるな!)
レーベンはそうしてナラン村を後にした。
◆◆◆
四日目の夜。だいぶ野宿にも馴れてきたこの日、レーベンはチンピラに囲まれていた。
「よぉー兄ちゃん、金持ってねぇか、金。ヒック」
「もってんならよぉ~、そこに置いてけや」
「そしたら痛い目見ずにすむぜぇ?
アッハハハハハハ」
チンピラは酔っているらしく、赤い顔をして呂律も怪しい。
「誰が酒臭いオッサンに金やるかっての。
これは俺が働いて稼いだ金と村を出るときに貰った餞別なんだ」