神が奪ったモノ


しぶしぶレーベンは五千二百レイルを支払った。

(所持金が一万二千レイルで五千二百レイルを払ったから、残り六千八百レイル……。
大丈夫、かな?)


予想より少し高額な買い物になり不安になるレーベンだったが、頭をぶんぶんと振って不安を追い払う。


「まいど~!」


レーベンは店から出て腰にベルトを巻き、剣を挿す。


それを見て、少し心が弾む。


(やっと剣を手に入れた! これからは練習もできるな!)


レーベンはそうしてナラン村を後にした。




◆◆◆


四日目の夜。だいぶ野宿にも馴れてきたこの日、レーベンはチンピラに囲まれていた。


「よぉー兄ちゃん、金持ってねぇか、金。ヒック」


「もってんならよぉ~、そこに置いてけや」


「そしたら痛い目見ずにすむぜぇ?
アッハハハハハハ」


チンピラは酔っているらしく、赤い顔をして呂律も怪しい。


「誰が酒臭いオッサンに金やるかっての。
これは俺が働いて稼いだ金と村を出るときに貰った餞別なんだ」


< 21 / 33 >

この作品をシェア

pagetop