神が奪ったモノ
レーベンはイライラしながらそう答えた。
今すぐに逃げ出したいが、三方をデカイ図体で塞がれて逃げるにも逃げれない。
周りは森と今いる一本道以外なにもなく、助けを呼ぶにも村や明かりさえ見えない。
「あ゛ぁ? ガキが偉そうに言ってんじゃねぇぞ!」
一人の男が腕を振り上げる。
(くそっ! 剣を抜くしかねぇのか?!)
レーベンがそう思い柄に手を置いたとき、
「がっ!」
腕を振り上げた男が短く呻いたかと思うと、白眼を剥いて倒れた。
「だ、誰だ!」
仲間がやられたことに残り二人の男たちが構える。
手にはナイフを持っていた。
「大人のくせにセコいことやってんなよ、オッサン」
倒れた男の背後には茶髪に緑色の瞳の少年が立っていた。
少年はレーベンと同じぐらいの年頃だろうか、手には剣を持っていた。
しかし、剣に血がついていないことから剣の持ち手で男を気絶させたと思われた。
「今引くなら痛い目見ずにすむけど、どうする?」
チンピラたちが言っていたセリフで少年は男たちを威圧する。