神が奪ったモノ
「クソッ」
「ガキが!」
男たちは少年に気圧されて毒づくと、伸びた仲間と共に去っていった。
「はぁーー」
レーベンは緊張をといて溜め息をついた。
「大丈夫? 怪我はない?」
助けてくれた少年が剣を鞘に納め、レーベンに近寄ってきた。
「ありがとう。助かったよ」
レーベンも剣の柄から手を離す。
「怪我がなくてよかった」
「それよりスゲーな、お前。あんな男たちを追い払うなんてさ」
「あれは僕も必死だったからじゃないかな」
少年は苦笑いを浮かべ、僕も恐かったよと言った。
少年は先ほどとは違い、親しみやすい印象だった。
「そうだ、俺はレーベン。お前は?」
「僕はアインザム。アインで構わないよ」
「アインか。アインはさっきどこから俺を見つけて助けに来たんだ?」
「それは君のうしろを歩いていて、この辺りで野宿をしようと考えていたら争うような声がしたから行ってみたらレーベンがいたんだよ」
アインが言うには、レーベンを見つけたあと森に入り、気付かれないように背後に回ったそうだった。