神が奪ったモノ
「七つまでは神の子供だからじゃないかな?
僕達は七つになるまでは神の加護があるけど、七つを過ぎるとなくなるって考えられているからね」
レーベン達が住まうヒレミアの大地では七つになると神から見えなくなり、加護が受けられなくなると考えられているのだ。
「ふーん。でもさ、笑えないとか感情については具体的にはどんな感じになるんだ?」
「うーん、難しいんだけど……。
笑い声、は出るけど、なんというかハハハハハって感情が全くない無表情になるんだ」
「別にそれだったら天罰じゃなくないか?」
「いや、その無表情のとき、心は楽しみを感じないんだ。
それはなんでもないことのようだけど、人間には危険なことなんだ。
感情は心に繋がってる。生と死も、記憶も。
これのどれか一つが欠ければ人は少しずつ狂っていくんだ」