神が奪ったモノ


「あぁ、パン?ここ」


そう言ってレーベンが指差したのは自分の腹だった。


「ロリエッタに引っ張られる前にギリギリ食ったよ」


そう言ってニカッとレーベンは笑ったが、その笑顔のまま、レーベンの顔には徐々に冷や汗が流れ出す。


レーベンの目の前には仁王立ちでどす黒い笑顔を浮かべた、ロリエッタが。


もちろん、その目は笑っているはずもない。


「レーーベンー?」


「な、なにかな、ロリエッタ?」


「なにかなじゃないでしょーー!!」


「いだだだだだだっ!!!!」


ロリエッタはレーベンの頭を拳でぐりぐりと抉る。


教育的指導だ。


「今日、盗んだ分働いてもらうからねっ!」


「痛い痛い痛い、わかった、わかったからー!」

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