神が奪ったモノ
レーベンは教育的指導から解放された。
ぐりぐりされた箇所を擦りながら、レーベンは涙目だった。
「暴力女」
レーベンはボソッとそう吐き捨てた。
「なんか言ったかいレーベン!」
が、ロリエッタに聞こえていたらしく、キッと睨まれた。
「なんも言ってませんー!」
レーベンはべーっと舌を出す。
そして、そのまま走って来た道を戻る。
ロリエッタはふぅと溜め息をついて、レーベンと一緒に店に戻る。
「ったく、パンが欲しけりゃ自分で買いな
給料やってんだから」
ロリエッタはレーベンを追いかけて放置してあったパンを店に並べている。
一方のレーベンは、カウンターの席で客を待っている。
「盗って走って食うのがうまいの」
「馬鹿いうんじゃないよ。
晩飯抜きにするよ!」
「ヘイヘーイ、スイマセンでしたー」