LOVE❤SONG
そのまま眠ってしまいそうな勢いで目の前に影が現れた。
びっくりして飛び起きるとその影と頭が衝突した。
美咲・亮『痛った(て)!』
美咲『亮!?』
あたしたちは自分の額をさすりながら目を会わせた。
亮『よっ、』
美咲『よっ、じゃないでしょ!何で居んの?』
亮『面倒見てこいって言われたから。』
美咲『?、あー、』
亮『なんだよその返事。』
美咲『そう言えばそうだったなと思って。お母さんもお父さんもあたしが病気と知ってて、沖縄のおばあちゃん家に行くんだって。』
亮『俺はラッキーだけど。』
美咲『え?、何で?』
亮『...今、二人だから。』
亮の言葉で今、家で二人きりだということがわかった。そのとたん急に顔が熱くなる。
亮『なんだよ、顔赤いぞ?』
美咲『は?そ、そんなわけっ!』
すると、亮の顔が近づいてきて。
美咲『な、何!?』
亮の手があたしの頬に触れる。
亮『前に言った事、覚えてる?』
美咲『前に言った事?』
亮『美咲を守るって約束。』
美咲『あ、うん。覚えてるよ?』
亮『あれ、幼なじみとしてじゃなくて、美咲が好きだから言ったんだよ。』
余計に顔が熱くなる。でもそれ以上に亮の真剣な眼差しから目が反らせなかった。
美咲『亮...あたしも亮の事好きだよ。でも、付き合うのは嫌。』
亮『何で?』
美咲『愛しくなればそれだけ別れるときに辛くなるから。ただでさえ、辛いのに。』
そう言うと亮はあたしの顎を"くいっ"と上げ唇を重ねた。そして、そのまま押し倒す様な形になった。
美咲『ちょっ、亮、!?んっ、』
亮の体を押し退けようとしても、男の力には敵わない、なにか言おうとしても唇を何度も重ねられて出来なかった。
次第に亮の手が腰に回され、背中に滑らせてくる。
亮『美咲......言ったろ、俺は絶対に美咲から離れないって。』
美咲『だって、もしもの事があったら...』
亮『ねぇよ、そんなのねぇ。』
何度も何度も重なりあう唇。お互い、これからどうなるか想像つかなくて不安と恐怖が募ってた。それでも亮は絶対にあたしを抱き締めていた腕を弱めることはなかった。あたしたちは今日初めてお互いの気持ちを知り、身体の関係を持った。
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