LOVE❤SONG
【次の日-池田家:美咲】

今あたしは、リビングでお母さんとお父さんの前に座っている。今までちゃんと向き合ってこなかったから、亮に言われた通り、今日きちんと話をするんだ。

美咲『昨日は、酷いこと言ってごめん。辛いのは、あたしだけじゃない事わかってて、お母さんたちに当たった。』
美咲の母『いいの。あんな言葉しかかけられないあたしたちも悪いのよ。』
お母さんの声はうわずっていた。
今にも泣き出しそうな顔をしていたんだと思う。
美咲の父『美咲、お父さんな、正直美咲に何をしてあげたらいいのかわからないんだ。変わってあげられる訳でもなければ、病気を治せる訳でもないし...』
お父さんの声は、本当に悔しそうであたしも胸が苦しくなった。
美咲『お母さん、お父さん、あたし、まだやりたいことがたくさんあるの。限られた時間の中で色々やってみたいの。』
美咲の母『......もちろん、いいわよ。』
美咲『ホント?』
美咲の父『母さん、でも、目が見えないんじゃ危なくないか?』
美咲の母『そうね、危ないこともあるかもしれない。不便がたくさん増えるかもしれない。でもね、病気になったからって失っていくばっかりじゃないと思うの。......健康な人にはわからない事がわかるかもしれない。だからね美咲......』
お母さんがあたしの手の上に手を重ねた。
美咲の母『美咲の好きなようにやりなさい。何もできないお母さんたちだけど、精一杯、美咲を支えて......支えていくから!』
泣きながら話すお母さんの言葉はヤンチャだったあたしの心に凄く響いたよ。あたしもいつの間にか涙を流していたから。


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