LOVE❤SONG
麗香『ちょっと池田さん!そうやって神谷様の愚痴をクラスの中で堂々と大きな声で言うのは失礼じゃないの?幼なじみだからって神谷様はあなたの物じゃないのよ?』
そうベラベラと喋ってきたのは園田麗香(そのだれいか)。
大手企業の社長の娘!とか言いふらしている自慢ばかりの女の子。その後ろに付いてる二人は麗香の手下、みたいな役割してる本城奈南(ほんじょうなな)と中川結実(なかがわゆうみ)。この二人の性格は何となく似てて自分より強い相手には絶対に立ち向かわず、弱い者をいじめるいわゆる性格ブス、という奴等だ。
美咲『またあんたたちか、』
奈南『あんたとは何よ!麗香様に向かって!!』
美咲『うるさいなぁ、あんたたちさ、よくこんな人の手下役みたいなことできるよね。物凄く我慢してるんだろうね♪こんな奴のわがまま聞いて。偉いよ!尊敬するわ。』
結実『何なの!その言い方!?これだから野蛮人は!こんな人と幼なじみなんて神谷様可哀想。』
あたしは頭にきて思わず立ち上がった。
美咲『あのね!こっちだって好きで亮といる訳じゃないんですけど!腐れ縁って知ってる!?嫌でもずっと繋がれてる鎖のこと!様とかつけてるけど亮の事そんなに知らないでしょ?知ったら絶対に好きじゃなくなるから!それに!』
愛佳『はいはいはいはい!美咲~そこまでそこまで!』
愛佳は私の肩を押さえた。
それと同時にあたしは我に返り、周りを見渡した。
美咲『は!やば!』
思わず手で口を塞ぐ。
「神谷君可哀想。」「あれはないよね。」
クラスメートのあちこちからあたしに対しての愚痴が聞こえた。
あたしは前の席に座っている亮を見た。
亮は背中を向けていた。前の席だから背中が見えるのは当たり前なんだけど、何故かその背中が寂しそうに見えた。
担任『おはよー。ホームルーム始めんぞ、席つけー。』
担任は何も知らずに教室に入ってくる。
美咲『先生、あたし帰る。』
担任『え?まだ1限目も始まってないぞ池田。』
美咲『具合悪いので、』
あたしはそう言い残して教室を出た。
担任『あいつが早退なんて珍しいな。相当具合悪いのか。』
そんな先生の言葉に皆見向きもしなかった。
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