病むほど君に依存してる
 孝くんは言っていた。瑠珂くんには近付くな、と。

 約1年ぶりに再開した瑠珂くんはちょっと様子がおかしくて、いきなりき……キス……されちゃったけれど、近付いちゃいけないっていうほど危ない人じゃないように見えた。

 だから、孝くんが近付くなっていう理由が分からない。


「――で、あるからして。ここをこの式で解けば――」


 ――仮に。

 仮に、私から瑠珂くんに近付くつもりがなかったとしても、向こうから近付いてくる場合は……どうなるんでしょうか?


「――というわけだ。……ところで、」


 黒板と向き合っていた先生がくるりと振り返り、私を……いや、正確には私の隣の席に座る生徒を睨む。


「龍宮司弟。1年であるお前が、どうして2年の教室にいる?」


 ……誰か、分かる人がいるなら是非とも私に教えてほしいです。

 先生の言うとおり、どうして1年生である瑠珂くんが、私のいる2年生の教室に――しかも、私の隣の席に座っているのでしょうかっ?!

 クラスメートのみんなは、先生の一言で一斉に私達の方を向いた。

 何やら聖くんは頭を抱えて溜め息を吐いているし、孝くんに限っては鬼のような形相で睨んできているし……。

 これは……私が悪いんでしょうか?
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