病むほど君に依存してる
 私が瑠珂くんに、こっそりと会いに行こうとしていることが孝くんにバレたら……何を言われるやら。

 でも、ずっと3人は一緒だったのに、孝くんがあんなふうに言うということは、今の瑠珂くんと会ったっていうことなのかな……?

 会って、瑠珂くんの現状が分かった上で、私に近付くなって孝くんは言ってくれたのかな……?

 もしもそうなのだとしても、やっぱり私は瑠珂くんに会いたい。何より、噂の真実が知りたいから。


「んー、まあ、直接会うのがいいだろうね。それが1番、手っ取り早いよ」

「……ですよね」

「それか……聖(ひじり)くんに聞いてみたら?」

「え?」


 神代先輩が言う“聖くん”って……もしかしなくても、龍宮司聖くんのことっ?!

 はっ!そういえば、そうだった。瑠珂くんのお兄ちゃんのうちの1人は聖くんで……私と同じクラスだったんだっけ。

 そうだよね。聖くんからすれば瑠珂くんは弟なわけだし、何か知っているかもしれない……!


「私、聞いてきます……!」

「聖くんのことだから、何か甘いものを請求してきそうだけど――って、あらら、いっちゃった」


 神代先輩の言葉を最後まで聞く間もなく、私は聖くんを目指して走った。
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