雨降りの日の彼女
Prologue.
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■Prelude.







『これは僕と貴女の記録である。


別に、自分の余命が短いとか、貴女がもう存在しないからとか、そんな大層な理由はない。


新しいノートが手に入ったこと、親友に、国語の成績が良いという理由だけで小説を書くことを勧められたこと、そして、僕の気まぐれによって始まった物である。


…いや、そんなのは後からとってつけただけの、ただの言い訳だ。



ただ、証がほしかったんだ。
僕が貴女といた日々が本物であったということの。
忘れてもまた思い出せるように。


キザに言うなら、貴女にあてた、グダグダなラブレターというところだろうか。』


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