雨降りの日の彼女
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「…へぇ、あんな子いるんだ。」


呟く。
ただ、興味を持っただけ。
お嬢様学校に通う、お嬢様に見えない彼女に、興味を持っただけ。


「茜ー?何してんだよ、電車来るって。」


「今行く。」


浩介の呼びかけにそう答え、楽しそうに話している彼女をもう一度見て、3番線に向かった。


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