雨降りの日の彼女
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あの日から一週間、雨が降ることはなかった。



「真っ青だなー雲一つないとかすごいな。」


俺の右側を歩く浩介が、眼鏡の上に手で影をつくりながら空を見上げて呟いた。


「梅雨明けたんじゃねぇの?」


反対側を歩く田村が浩介の言葉に返す。
テスト一週間前に入ったため、部活がないからと一緒に帰る今日この頃。
と言っても田村は引っ越したらしくバス通学になったので、一緒に帰るのは五分程なのだが。


「ぶっぶー。残念でした、来週からまた雨なんですよー。
以上気象をなめてはいけないのだよ田村くん。」


浩介が俺の肩に捕まり、田村のほうへ乗り出すようにしてアハハと楽しそうに言った。
ていうかぶっぶーって。
お前何歳だよ。

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